建築・企画・設計・監理
(株)宮崎建築事務所 〒510-0242 鈴鹿市白子本町5-29 TEL:059-368-3330 宮崎達也 HP:http://miyazaki-archi.nobushi.jp/ mail:3839ttsy@gmail.com カテゴリ
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コロナ禍がはじまり、飲み会などの会合が減り、それまで行ってきたまちづくり活動のイベント主催なども難しくなったため、時間が出来るようになりました。 家で過ごす時間も増えて、料理をしてみようと思うようになりました。 やってみると、意外に楽しいのと、キッチンの使い勝手がわかってきたこともあって、時々、料理をするようになりました。 どこにどのキッチン用品があるかとか、調味料、食材の在庫状態を把握していないと、料理ってハードルが高いですよね(?)。 それから1年後、ご存じの通りコロナ禍は続き、以前の日記にも書いていますが、かつての趣味であった釣りをするようになりました。 妻は魚をさばくことが出来ないというので、魚が釣れたら自分でさばくしかありません。 最初はYouTubeを見ながらサバをさばき、味噌煮にしました。 その後、クロソイ、スルメイカ、アイナメ、ドンコ、真鯛、ソッコ(ブリの子ども)、カレイなど、釣れた魚をさばくうちに、だんだんと魚をさばいて食べることが楽しくなってきました。 中でもアイナメ、ソッコは刺身にして食べることに挑戦しました。 それでわかったことは、なんの魚でも体の構造は、だいたい同じということ(イカは別として)。 そうしてだんだん魚がさばけるようになるうちに、スーパーに並んでいる魚も見るようになりました。 サバは私が釣ったものよりずっと大きいなと思ったり、いくらぐらいで売ってるのか見たりしました。 そして、我が家では切り身になったり、加工されたりしていない、まるごとの魚をほとんど買うことがなかったことにふと気づきました。 釜石の有力な産業である漁業や、販売しているお店を応援するためには、こういう魚を自ら購入して、家庭などで食べることがまず必要ではないかと思いはじめました。 そんな思いから企画したのが、co-ba kamaishi marudaiの会員交流会。 釜石のある居酒屋さんで人気の、この時期定番のメニュー、ぶりしゃぶを、ぶりをさばくところからやってみようと思いました。 ちなみにですが、ぶりは昔は釜石ではあまりとれない魚だったけど、温暖化の影響か、最近はとれるようになってきたと聞いています。 現在は旬の魚といってもいいのではないかと…? よく見ている釣りYouTubeの動画で、ぶりを釣ってさばいているものがあり、出来そうだと思ったこともありました。 駅前のサンフィッシュにある東鮮魚店さんで手に入ったのは、4.2kgのブリ(大きさ的にはハマチ?)。 全長60㎝以上のまるまる太った魚体を前にしたときは、少しひるみましたが、直前までなんども動画を見て覚えた手順でやってみたら、なんとか刺身にするための柵(さく)が取れました。 まぁけっこう骨のほうに身は取られましたが… 刺身にしたものはぶりしゃぶにして、会員交流会で参加いただいたみなさんに食べていただきました。 残った頭やアラは、家に持って帰って焼いたり、煮つけにしたり、ぶり大根にしたりして食べました。 実はぶりしゃぶにした身より、アラのほうが絶品だったりもして、十二分に楽しんだと思います。 釣れた魚もいいですが、やはり魚屋さんに売っているもののほうが一般的に大物なので、これからは自宅でも購入して食べていきたいと思っております。 #
by 3839ttsy
| 2022-01-26 10:56
| co-ba kamaishi
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今回から講師は「きっかけさん」という名目になりました。 釜石コンパスとは、釜石の高校生が自分の将来を決めるにあたって、羅針盤(コンパス)となるようにと行われている課外授業のことです。 講師は地元の民間企業や、公的機関の職員さんなどが行います。 その講師の話が高校生の将来を決める「きっかけ」になればいいということだと思います。 学年ごとに数回行われるようなのですが、今回私は1年生の2回目を担当させていただきました。 講師は他にも10名以上いて、学年の全生徒が10数名のグループに分かれて、それぞれ2回講義を受ける形でした。 つまり、10名以上いる講師のうち2名から話を聞くということになります。 講師の希望は出来るのですが、希望通りにいかない場合もあります。 私にのぞまれているのは、やはり建築士という職業についてのことだと思いますが、釜石大観音仲見世のリノベーションに携わっていることについても、興味の対象だったようです。 講義内容は3年前、担当させていただいた1回目から同じようなメッセージを込めて考えました。 それは、高校の時から将来の仕事について、過剰に深刻に考えなくてもいいし、仕事は最初は大変でも、だんだん楽しくなって好きになってくるということ。 そして、本業で基礎的な能力が身に付けば、本業以外のこと(たとえばリノベーションまちづくりのことなど)、やりたいことが出来るようになるということです。 ただ、1回目、2回目では、そのメッセージがいまいち伝わっていなかったことを感じたのと、本当に建築の仕事をしたい生徒さんもいるのに対し、建築の話をあまりしなかったという反省点がありました。 さらにいうと、必要以上に高校や大学の自分のダメっぷりを話しすぎてしまったということもありました。 後で話を聞いてわかりましたが、生徒さんの学力レベルや、勤勉ぶりは、高校時代の私のそれとは乖離していたようでした(恥) 今回は、建築家の言葉なども引用しつつ、建築という仕事と、仕事や人生の一般的なことを織り交ぜて話をし、ダメっぷりの話は控えめにしておきました。 ただやはり、想定と実際は違うもので、私が高校の時の将来なりたかったものを話し、生徒のみなさんのなりたいものを話してもらって、年齢の大きく違う私の話を、身近に聞いてもらえるようにしようと思ったのが、私のそれはミュージシャンだとか小説家だとか現実味がないのに対し、生徒さんのほうは身近な職業ばかりで極めて現実的でした。 ここでまた「スベった」のでした。 ともあれ、後からいただいたアンケートを見ると、全体的にはこれまでで一番生徒さんの心に残る話を出来たように感じました。 あくまでも私の知る範囲で思うところですが、今の20代から30代の前半ぐらいの人には「自分が好きだと思える仕事をしないといけない」という気持ちが強いように感じます。 そのために自分の好きになれる仕事を探して転職を繰り返したり、仕事ができなくなったりしてしまうのではないかと思うことも。 仕事は社会人としてしなければいけないことで、好きとか楽しいかということは、その次だと私は思っていました。 人からお金をもらうには、物品を提供するとか、サービスを提供するとか、なんらかの形でその人の役に立たなければいけないわけですから、相手本位であり、自分が好きかどうかは本質的には関係がないはずです。 ただ、仕事を続けるためには、好きなことや楽しいことがいいのもわかりますし、そのほうが仕事の質もいいのかもしれません。 私が懸念するのは、優先順位を間違えると、かえって辛くなってしまうのではないかということですね。 そのようなことを伝えるために考えた言葉が、アンケートを見る限り、多くの生徒さんの心に残ったようでした。 「目からウロコが落ちた」と書いている子もいました。 それは「好きなことを仕事にするのは難しいが、仕事を好きになることは難しくない」という言葉でした。 未だにそれが正解だったのかどうかわかりません。 もしかすると、好きなことを仕事に出来る能力のある子にとっては、マイナスだったかもと思うこともあります。 でも、この言葉を感想に書いている子が多かったところを見ると、やはり彼らも「好きなことを仕事にしないといけない」というプレッシャーを感じていたように思いました。 中には建築の仕事をしたいという、ど真ん中な生徒さんもいましたが、そうでない人も、もっと気楽に仕事を選んで、ポジティブに仕事をしていけるようになればいいと思います。 それにしても、休みの日に学校に来て、課外授業のようなものを受けるのは嫌だろうなといつも思いますが、そのような態度を見せる子はいなくて感心します。 釜石コンパスで、高校生の時にいろいろな大人や職業の話を聞くのは、とても有意義だと思うし、就職することへの不安も少しは取り除けるのではないかと思います。 実行委員会のみなさん、そして講師のみなさんも真摯に取り組んでいて、本当に素晴らしいプログラムです。 #
by 3839ttsy
| 2021-12-25 12:30
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以前の日記に書いた、大学の総合型選抜(旧AO入試)の指導をさせていただいた、高校生のYさん。 全16回で、毎回、宿題を出して、建築についての話と、立体やインテリアをスケッチする技術を教えました。 私自身、手描きパースは大学を卒業して以来、実はちゃんと描いたことはなくて、あらためて勉強することになりました。 自分でもマスターしないと教えられないので、釜石で経営しているコワーキングスペースのチラシに載せるイラストを、手描きパースで描いたりもしました(冒頭の画像)。 4年分の課題が公開されていたのですが、高校の先生には教えられないであろう内容で、普通は一体どうやって勉強するのか不思議でした。 まず、絶対に必要と思われるのが、透視図の手法を覚えることで、一点透視、二点透視、等角投影法などの基本的な技術を教えました。 講義では実技試験と面接で必要と思われる知識を得てもらうために、都市計画、建築史、建築計画、デザイン、色彩計画、省エネ、防災、バリアフリーなどの話をしました。 いずれも、ある程度知識はありますが、改めて人に教えるとなると、いい加減な記憶も多いため、1から勉強し直すという感じでした。 最初に全日程と、テーマを決めましたが、詳しい内容は毎回、勉強し直して、四苦八苦してパワーポイントにまとめるという感じでした。 その上、毎週、宿題を考えないといけないので、宿題を作って、自分で解いてみるということもしなければなりませんでした。 ただ、やってみてわかったことは、私はそういうことをするのが好きだということです。 高校の時、ちょっとだけ先生になりたいと思っていたことは、このブログでも何回か書いたことがあるような気がしますが、人にものを教えるのは好きなんですね。 生徒のYさん本人には喜んでもらっていたようで、親御さんからも感謝のLINEがたびたび届き、お家で作っているお米を送っていただいたこともありました。 Yさんの実力は一時伸び悩んでいるように見えたこともあり、また、途中で2回ほど講義を延期したりして、もしかして挫折しそうになっているのかもと思ったことがありました。 ところが、その時期を過ぎると、突然、実力があがって、宿題の回答が見違えるようになりました。 人の成長は単純なものではなく、行き詰った後に、一気に伸びるということもあるのだなと思いました。 zoomのオンライン上ではありましたが、模擬面接も行いました。 11月半ば過ぎ、教えられることは教え切って、試験に送り出したつもりでした。 合格するのは12人中4人なので、狭き門ではあると思いますが、たぶんいけるだろうと思っていました。 どうやら、合格した受験生はもっとたくさん勉強していたのか、採点する人の採点の仕方か、実技、面接のいずれかでなんらかの失敗があったのか… 合格発表の日、明るい声でかかってきた電話で伝えられたのは、声から受ける予想に反して、残念ながら不合格だったということでした。 なんと声をかけていいかわからない感じになってしまいました。 専門的な学科の総合選抜型入試のために勉強したことは、一般入試に流用できないので、絶対に合格しないと後が大変だと思っていました。 考えてみると、それは他の受験生も同じ条件なので、必死で勉強したのでしょうね。 しばらく、自分の力不足と、無駄な時間を使わせてしまったことに申し訳なさを感じました。 それまで「一般入試の勉強もしておかないといけないね」とは言ってあったのですが、なかなか両方に身を入れるのは難しいだろうから、これから間に合うのか心配ですね。 でも、結果発表から1週間ぐらい経った今、こういう危機的な状況を乗り越えることが、人生の糧になるかもしれないと思うようになりました。 今回勉強したことも、すぐには役に立たなくても、建築の道に進めば、きっといつか役に立つだろうと。 どうか次の試験は合格しますように! #
by 3839ttsy
| 2021-12-13 11:22
| 建築
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昨晩、釜石のある漁港でメバルを釣りました。 釣りが子どものころからの趣味ではあるのですが、子どものころから今までずっと釣りをしているという感じではありません。 マイブームが10年おきぐらいにやってくるという感じで、休止期間もあります。 その辺りのことは、以前の投稿にも書いています。 はっきり覚えていませんが、たぶん小学4年生ぐらいのころに釣りを始めました。 きっかけは、釣りキチ三平のアニメがはじまったことです。 すぐにアニメにはまってしまい、間もなく自分でもやってみたくなりました。 父が釣り好きだったので、竿とリールを買ってもらって、同じクラスだったHくんと一緒に釣りをはじめました。 おもちゃなどはなかなか買ってくれない父でしたが、釣り道具をすんなり買ってくれたのは、自分が釣りばかりやっていたからではないかと思います。 最初は近くの堤防で、コチとカレイを釣りました。 父もたまに釣りに連れて行ってくれて、だいたいは船釣りでした。 子どものころはキス釣りやタコ釣りに。 大人になってからは、メバル釣りと鯛釣りに連れて行ってもらったことがありました。 父は晩年は鯛釣りしかしなくなり、66歳で亡くなる数年前には体力がもたなくなったのか、釣りに行かなくなって、テレビで釣り番組ばかり見ていました。 父がよく行っていた釣り場は、県内ではありますが、車で2,3時間かかるところで、夜中に出発して、早朝に出船する釣りは辛くなっていたのだと思います。 メバルを釣ったのは、その時がはじめてて、1回だけしか釣ったことがありませんでした。 今年の春ごろから、にわかに釣り熱が再燃しはじめたのですが、最近の狙いはメバルでした。 理由はYouTube動画でメバリングというジャンルの釣りがあるのを知ったからです。 他にアジングというジャンルがあるのも知りました。 いずれも、海の漁港などをフィールドとし、小さいルアーと、やわらかい(ライトな)竿、細い糸で行う釣り方です。 メバリングはメバル、アジングはアジが対象ですが、両者はほとんど同じような釣り方です。 もともとブラックバスを釣っていた層が開発した釣り方らしく、ブラックバスの道具を流用することが出来ます(現在は専用のものも開発されています)。 私は20代のころはブラックバス釣りを中心にしていたので、その頃の道具をまだ持っていました。 それを使ってメバリング、アジングに挑戦しているのですが、外道は釣れるものの、本命が全く釣れません。 アジのほうはまだ餌やサビキで釣れるけど、メバルのほうはハイシーズンでないせいもあるのか、見ることもできませんでした。 YouTube動画ではいとも簡単に釣れているメバルがどうしても釣れないので、深追いモードになってしまい、夜な夜な漁港に通うようになりました(メバリングやアジングは夜が基本です)。 そもそもメバルが漁港にいるのも知らなかったので、「本当にメバルがいるのかな?」と思うこともありました。 しかし、知り合いが実際に釣っていたりもするので、いるのは間違いありません。 そのメバルを、昨晩、ついに釣りあげることが出来たのでした。 ただし…釣り方はメバリングではありません。 きびなごという餌をつけた、浮き釣りでした(釣りとはそういうものです…?)。 そんなわけで、父に船釣りに連れて行ってもらった時以来、数十年ぶりにメバルを釣ることが出来ました。 単にメバルが釣れたというだけではなく、なかなかの良型。 最初はめったに釣れないと言われる「尺メバル(30㎝以上あるメバル)」かと思いましたが、測ってみたら26.5㎝でした。 メバルって体が太いので、大きく見えるんですね。 引きもかなり強かったです。 似たような感じのクロソイという魚はよく釣れるのですが、メバルはなんとなくオーラ(?)が違います。 メバルという名の由来通り、目が大きくて、なんとなくかわいそうな感じがして、締めるのにやや躊躇しました。 食べる目的で狙っていたので、最後は意を決して締めました。 帰ってからさっそく煮つけにし、今朝、食べました。 メバルは煮つけにして一番おいしい魚と言われたりしますが、確かにクロソイよりおいしいかも。 これから、本格的なメバルのシーズンがスタート。 今後も夜の漁港通いがやめられなくなりそうです… #
by 3839ttsy
| 2021-11-01 11:39
| プライベート
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一般的には不動産業の許可を取ったというような言い方のほうが、わかりやすいかもしれません。 宅建業はなぜか「免許」というので勘違いされやすいのですが、宅建士の資格を取ったこととは違います。 人ではなく会社または事業者が、宅建業(不動産業)をしてもいいという許可を得たという意味ですね。 ちなみに、宅建士のほうは宅建業免許を受けるために必要になります。 つまりは、そこに働く人の中に宅建士の資格のある人がいなければいけないということです。 私が宅建士を取ったのは、今年の3月であり、まだホヤホヤです。 宅建士の試験を受けたのは、約1年前の10月ですが、受ける段階では、将来の展望はなにもありませんでした。 合格した後も、宅建士の資格を取るかどうか迷っていました。 なぜなら、宅建士は試験に合格しただけではなることが出来ず、その後も、2日間の講習を受けたり、登録申請や、宅建士証の交付申請をおこなったりと、さまざまな手続きが必要であり、しかもけっこうお金がかかります。 宅建士になるには、文字通りいくつものハードルがあるのです。 迷った挙句、なんの目的もないけど、せっかくだから取ってしまおうと思いました。 なぜ目的がないかと言うと、宅建士は宅建業者に所属しない限りなんの効力もないに等しく、今の会社をたたんで、就職しない限り必要になる可能性がなかったからです。 試験という最初のハードルを越えると、次に待っているのは2日間の登録実務講習でした。 岩手で受けられるのは、建築士試験の講習を行っていることでもおなじみの、総合資格学院や日建学院などでしたが、講習の頻度が高い総合資格学院で受けることにしました。 水沢で一泊し2日間、登録実務講習を受けました。 講師は仙台で宅建業を営んでいる方で、実務における話も聞くことが出来ました。 そこで聞いたのが「今、買取再販事業が熱い」ということでした。 買取再販事業とは、中古の住宅を買い取り、リフォームして販売することです。 そしてこの事業は、宅建業にあたるため、免許が必要になります。 従来の宅建業は売買や賃貸の仲介か、新築分譲がメインであり、中古住宅を買い取って販売するという発想は、あまりなかったようなのです。 それが、昨今、新しい市場として有望になっているということでした。 その話を聞いて「ウチの会社で宅建業を取ろう」と思ったのでした。 ただ、講師の先生の話は、単に水回り改修など必要最小限のリフォームをして販売するということだったのですが、私は「リノベーション」をすることを考えました。 古民家や中古住宅のリノベーションで、新築とは違った素敵な家を作ることが出来ることは、建築士会などの講演で15年ぐらい前から知ってはいました。 しかし、なかなかそれに取り組む機会がありませんでした。 なぜなら、設計の仕事は施主(クライアント)がいないと、はじまらないからです。 古い建物をリノベーションしたら、とても素敵な建物が出来ることは明らかなのですが、古い建物の段階でそれを想像できるのは、我々建築士か、施工をしているような一部の人だけです。 建築のことに詳しくない一般の人は、リノベーション後の姿が想像できず、自分でお金を出してやってみるという気にはなかなかなれません。 これは、釜石や鈴鹿で空き家活用の活動を通じて、身に染みてわかったことでもあります。 ということは、お客さんを待っていてもリノベーションは出来ないのです。 そこで、いくつかの試みを行いました。 1つは空き家を無償で借りて、自費と補助金とDIYでリノベーションを行い、オーナーに賃貸物件として返すということ。 これはBlanc-Co(ブランコ)という鈴鹿で建築や宅建業にかかわる事業者のグループで、実験的に行いました。 2つ目は、鈴鹿で空き家になっていた古民家をオーナーさんにリノベーションしてもらい(設計は当社が行い)、そこに当社が入居するというプロジェクト。 3つ目は、釜石で空き家になっていた物販店舗を、自社で買い取りリノベーションをして、コワーキングスペースとして運営するプロジェクト。 4つ目は1階が飲食店で、2階が住居になっていた空き家を、1階をカフェ、2階をゲストハウスにリノベーションしたものですが、建物の賃貸とカフェの事業は、私も参加した合同会社の事業として行い、2階はサブリースしています。 いずれも自社や私個人が主体的に行ったプロジェクトであり、通常の設計業務とは違うものです。 一般的な設計事務所の受注スタイルとしては、空き家がそこにあって、オーナーがいて、そのオーナーがリノベーションをしたいからと、設計を依頼するという流れなのですが、そういう依頼は実際には全然なかったのです。 空き家活用には、空き家のままだと社会にとって有害であるものを、資源として有益なものに作り替える効果があるだけでなく、本来であれば解体される建物を利用することで廃棄物を削減することになり、古民家であれば、まちなみや文化遺産の保存にもつながります。 最近は古民家をリノベーションしたカフェや、ゲストハウス、コワーキングスペース、コミュニティスペースなどが増え、テレビでも目にすることが増えました。 しかし、ああいった物件が生まれる条件はかなり厳しいものがあります(あると思います)。 例えばリノベーションでカフェが作りたいと思った人がいたとして、自らが所有する物件であれば自由にしていいわけですが、所有していないと買うか借りるかしないといけません。 買うのは予算も大きくなるためハードルが高く、貸りようと思っても空き家のオーナーは通常、不動産経営などの経験がなく、なかなか貸してもらえません。 また貸してくれる人がいたとしても、通常の家賃を払って、さらに自ら投資してリノベーションするのでは割が合わない場合が多いです。 そのため、現実に存在するリノベーション施設は、所有者が自ら行うか、運よくタダ同然で譲り受けたり、借してもらったりしているか、もしくは自治体が一部、または全部のお金を出していたりすることが多いようです。 私は前述したように空き家や古民家のリノベーションを、10年以上前から志向していますが、実際に出来たのは自らお金を出したり、労力を提供した時だけでした。 そんな経験から、リノベーションは自分で、主体的にやるしかないと思うにいたりました。 しかし、自社で物件所有して経営したり運営したりするのも、限界があります。 なによりも自社の売り上げを基準として、一定以上のお金を借りることは難しいからです。 そこで「買取再販」の話を聞いたので、「これだ!」と思ったというわけなのでした。 自社で古民家などの中古住宅を買い取り、現状で流通している中古不動産とは一線を画する、おしゃれでユニークなリノベーション物件として売り出すという事業。 空き家が増えて元気がなくなった町を、リノベーションで活性化するという、個人的テーマにも沿うものになります。 また、リノベーションの段階ではクライアントがいないので、実験的なことや大胆なデザインにも取り組みやすくなります。 リスクはありますが、それ以外はいいことずくめ(?)。 そこで、宅建業の免許を取得することに決めました。 宅建業の免許申請は、5月ごろから始めましたが、免許を受けた後、保証協会の弁済業務保証金や入会金を支払って、先週、宅建業を始められる運びとなりました。 去年の7月に、コロナでこれまでやっていたまちづくりの活動などが出来なくなって、その分時間があるので、宅建士の試験でも受けようかと思って申し込んだときには、1年後に宅建業を始めることになるとは思いもしませんでした。 ともあれ、いよいよ鈴鹿市の白子を中心にリノベーション住宅を販売する予定ですので、購入されたい方はぜひご連絡ください!(気が早い?) #
by 3839ttsy
| 2021-09-16 15:36
| 建築
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