建築・企画・設計・監理
(株)宮崎建築事務所 〒510-0242 鈴鹿市白子本町5-29 TEL:059-368-3330 宮崎達也 HP:http://miyazaki-archi.nobushi.jp/ mail:3839ttsy@gmail.com カテゴリ
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10年ほど前、ハンスグローエというドイツの水栓機器、衛生陶器メーカーが「日本の風呂」というテーマで、自社製品をつかったデザイン提案を募集していました。 最優秀賞金は20万円で、応募要項には、優秀作品は実際に作って海外の見本市などで展示することもあると書いてあったように記憶しています。 建築家デビューを目指していたこの頃、海外で展示されるというのも魅力で、挑戦してみることに。 日本の風呂というキーワードから考えたのが、露天風呂、数寄屋造り、枯山水の庭です。 ハンスグローエはヨーロッパのメーカーですから、浴槽は日本のものと違い、床に置くようなタイプのものです。 それをどうしたら、露天風呂になるのか? 思いついたのが、浴槽を縁側に置き、掃き出し窓を開ければ露天風呂になるというアイデアでした。 建物はハンスグローエの製品に合いそうな数寄屋造りにし、庭は枯山水で、四季を感じられる紅葉を植え、庭を見ながら入浴できるように。 桂離宮のように月見台があって、入浴後は月を見ながら涼めるようになっています。 これならヨーロッパの人の心をつかみそうな、新しい日本の風呂のスタイルだと思いました。 問題はこれをどう表現するかでしたが、このころお世話になっていたカフェのマスターで、CGクリエイターのmacBONさんにお願いしてみました。 入賞したら賞金の半分をお渡しするという条件でお願いしたところ、快く承諾いただきました。 正直、ここまでのものが出来ると思っていなくて、申し訳ないほどでした。 ハンスグローエの商品は、データなどがあったわけではなく、カタログを見てパーツ作成。 椅子はハンス・ウェグナーのデザインのものをお願いしたのですが、これもネットで拾った写真からCGで再現していただきました。 こんなに詳細に、リアルに出来るものなんですね。 10年前のことなので、今はもっとパソコンのスペックも上がっているだろうし、クオリティも上がっているのでしょうか。 応募は99点あったということですが、残念ながら入賞はならずでした。 改めてmacBONさんすいませんでした。 あの時は、ありがとうございました。 渾身の作品にもかかわらず(特にCGが)選外だったため意気消沈してしまい、これ以来、アイデアコンペには応募していません。 #
by 3839ttsy
| 2020-04-04 17:35
| アンビルド
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1階を鉄筋コンクリート造、2・3階を木造で提案したところ、鉄骨造にしてほしいという依頼者様の要望により、実現しなかった案です。 1階部分を2つ並んだトンネルのような構造で作り、片側を車が通り抜けられる実際のトンネルとして利用し、片側を事務所の接客スペースとしています。 そしてトンネルの上に、木造の建物を2棟作ります。 1棟は平屋建て、もう1棟は2階建てをのせるような格好になり、実際にはそれぞれ2階、2・3階となります。 平屋のほうは事務所の執務スペースや応接室、2階建てのほうは住居で、住居には1階を経由せず、裏の階段からアプローチする形になります。 住居の2階と、事務所の2階は、屋上のスペースを通って行き来することが出来ます。 さらにトンネルにすることによって、波が抜けて、水圧を受けないことを意図しています。 もう一つは、間口の狭い敷地ですが、商店街であるため、周辺の建物と同じように前面に建物を作り、奥に駐車場を作ってほしいという要望があったためです。 車路を確保して、なおかつ必要な建物の広さを確保するには、1階を狭くして、2階以上を広くする必要がありました。 こういう場合、建築では柱だけの「ピロティ構造」にすることが考えられますが、これを土木構造物であるトンネルにしてしまってはどうかと考えました。 そこで、トンネルを2つ並べて、一つはそのまま通り抜けられるように、一つは両側をふさいで建物のようにするというアイデアが浮かんだのでした。 一方、上の階の木造部分に対しては、トンネルがコンクリートの基礎になるという発想です。 また、2階は中庭のような屋上をはさんで、仕事をする場所と、プライベートの場所が適度に分断される効果もあると思いました。 建築にトンネルの要素を取り入れるのは、アンビルドシリーズ7の発想から来ているところもあったと思います。 #
by 3839ttsy
| 2020-03-20 22:03
| アンビルド
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箸休めではないですが、今回は小さな案件です。 とても不思議な依頼だったのですが、水道局から払い戻した建物(…だったと思うのですが、このあたりの記憶はあいまいです)を、美術館にしたいということでした。 建物というか、ポンプ室か、何かの機械を置くための建造物だったのだと思います。 円形で大きさは約38㎡、畳に換算すると約22畳の大きさ。 鉄筋コンクリート造で、柱が4本、梁が向かい合わせの柱にかかって、クロスしています。 ここに依頼者さんが持っている美術品を飾って、私設美術館にしたいということでした。 提案したのは、まず白い断熱材を吹き付けてコンクリートを覆ってしまい、鍾乳洞というか洞窟のようにすること。 あるアートイベントで、和室の木の部分を全部やすり掛けして、角をなくしてしまうという作品がありました。 そうすると、部屋の大きさなどが、はっきりと認識できなくなり、つかみどころのない茫洋とした雰囲気になります。 立ちくらみがしたときのような、焦点の合わないくらくらした感じにも似ているでしょうか。 人間というものは、角を見て部屋の大きさや距離などを判断しているという説がありますが、それを裏付ける感覚です。 吹付の断熱材で、角がなく、壁も柱も梁も直線的でない(床を除き)フワフワとした白い空間を作り、そこへ美術品を浮き上がらせます。 そのためにガラスのパーテーションのようなものを作って、そこに絵画をかけられるようにと提案しました。 ガラスパーテーションは回って見られるように、部屋の中心から外の4方向に向けて設置。 さらにその中には、石灯篭を置くことを提案しました。 なぜなら、この建物の周りが石庭のようになっていて、石灯篭があったので、建物の中にもあると、外と連続していて面白いのではないかと思ったからです。 とはいえ、灯篭にこだわったわけではなく、ここに彫刻や、陶芸の作品を置くのもいいのではないかと考えていました。 照明はスポットライトで作品を照らすのみで、外壁周りはやや薄暗く。 実現したら、元の建物の面白さもあって、見たことのない異次元空間が出来たと思いますが、残念ながら依頼者様に気に入っていただけませんでした。 イメージ図は、マイホームデザイナーという3Dソフトで作りましたが、断熱材を表しにするというテクスチャーがなく、雰囲気を表現しきれていないかなと思います。 #
by 3839ttsy
| 2020-02-26 15:55
| アンビルド
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敷地の前に、堤防をかねた道路があるロケーション。 その道路の前には、小さい漁港があります。 河口にあたるところで、オーシャンビューと言っていいのかわかりませんが、個人的にはけっこう好きな風景が見えます。 道路のほうが高く、敷地は1階分に少し足りないぐらい低いという、特殊な条件でした。 東日本大震災が起こって間もないころであり、津波のことも頭に浮かびました。 道路から見ると、2階が地上階で、1階が地下階のようなイメージになります。 ただ、通常の鉄筋コンクリート造などにすると、柱が邪魔になってしまい、駐車スペースが限られてしまったり、狭くて走りづらいものになることが考えられました。 そこで、考えたのが、バルコニーや共同廊下の外側に柱を立てて、梁でつなぎ、住戸の部分(箱)を吊り下げるような構造にしたらどうかということでした。 そうすれば、駐車スペースが柱だらけにならなくても済むのではないかと。 鉄筋コンクリート造だと、柱や梁が巨大になりそうなので、鉄骨造の想定でした。 構造的になりたつのかは、とりあえず置いておいて…(笑) さらに、その構造フレームの中でなら、自由に住戸部分(箱)、バルコニーや、仕切り壁、屋外の共用部分をレイアウト出来るのではないかと思いました。 一般的な共同住宅だと、共用廊下側とバルコニー側にしか窓が取れず、窓の面積が限られています。 2戸を1つの箱にすることで、共用廊下とバルコニーの外壁面以外に、もう1面、窓がつけられる外壁が出来ます。 道路側には、海(港)が見える2階建てのカフェを配置。 この計画では、当時、入社1年目の尾崎さんにパースを描いてもらったのですが、今見るとなんだかアーティスティックというか、近代の絵画のような感じがします。 最初の提案通りに実現できることはなかなかありませんが、計画が進んでいれば提案の大部分は実現できたのではないかと思います。 ここまでのアンビルドシリーズ6,7,9を見ると、高低差のある敷地は、工夫が独自のデザインに現れる傾向があって、難しいけど面白いですね。 #
by 3839ttsy
| 2020-02-24 14:15
| アンビルド
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震災の3年後という状況の中で、多くの人が平常時とは違った意識を持っていたせいか、このような特殊な依頼がありました。 津波で被災した工場を移転したため、空いた敷地の活用方法を提案してほしいという。 この提案のために、ご協力いただいたみなさまには、実現しなくて申し訳ない思いを抱いております。 私のほうに相談があった段階では、1週間程度の期間しかなかったため、色鉛筆でささっと描いた上記の鳥瞰図しかありません。 提案を作るために相談させていただいた、地元の方のアイデアを含みつつ、やや荒唐無稽な内容を含みます。 その敷地は、道路を挟んで川沿いにあり、当時はまだ開通していない、三陸道の近くでもありました。 三陸道はパーキングエリアがない高速道路であり、その代わりに沿線に、それに相当するものが、各地域に設置するよう推奨されているということでした。 つまり、この施設は高速道路のパーキングエリア、または道の駅、ドライブインのようなものということになります。 最初の提案ということで、実現が難しそうなアイデアも含みつつ、プレゼン案をつくりました。 その一つが、橋上レストラン。 もはや敷地を飛び出してしまっていますが、川に橋を架け、その上で食事が出来る施設です。 さらに、川を一部分岐させて、敷地内に取り込むということを考えました。 子どもが水遊びすることも出来ます。 この川は鮭が遡上する川であり、シーズンになれば(たぶん)鮭の遡上が見られます。 さらに、川に入って、鮭を捕まえることが出来ると、子どもに人気が出るのでは?というところまで、話が盛り上がったりしました。 以上2点は、河川管理者からNGが出るだろうとは思いましたが、ダメ元でも、かけあってみる気持ちでした。 産直などの商店は作りますが、津波の被害が想定されるところなので、簡易なテント式のものを並べ、大きな建設投資はしないことにしています。 また、いざというとき避難できるタワーを設置しています。 建築物として作るのは、トイレと小さめの入浴施設だけです。 敷地の多くは、公園として利用出来て、芝生や築山を作り、桜を植えて花見も出来るようになっています。 また、近くの海に釣りや潮干狩りに行くときに、駐車場を利用してもOK。 その獲物を公園で、バーベキューして食べるのもOK。 その他、コンサートなど、イベントもOK 実現すれば、私設の公園として、公共の公園よりも自由度が高く、素晴らしい事業になったと思います。 依頼者様へのプレゼンの段階では好感触でしたが、残念ながら資金を調達することが出来なかったようです。 #
by 3839ttsy
| 2020-02-16 21:57
| アンビルド
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釜石の復興住宅のプロポーザル案です。 津波の被害を受けた集落で、浸水はあったものの、住宅が流されるほどではなかった高台の敷地に、復興公営住宅をつくるため、設計者を募集するプロポーザルがありました。 建築家の伊東豊雄さんが審査員長をつとめていたこともあり、たくさんの有名建築家がエントリーしていました。 元々は傾斜地であったと思われる、かつての津波で高台移転した造成地。 道路を挟んで海側の宅地は擁壁の上に、山側の宅地は擁壁の下にあるというロケーションです。 さらに山側には、国道が通っていて、その間は、段々畑のように宅地が形成されています。 なお、復興住宅にはコミュニティ施設も併設されており、会議室や図書室、調理室や施設運営団体の事務所、さらに店舗も含まれていました。 私の提案では、復興住宅を2棟に分け、その間にコミュニティー施設を配置しました。 この提案には様々なアイデアが盛り込まれていましたが、アンビルドのことを長々と紹介してもむなしいので(笑)、ここでは1点のみご紹介します。 発想の起点は「既存の擁壁を崩す」ことでした。 公共施設を含む建物ではあるのですが、裏側、つまり山側にある、住宅や児童学習センターと擁壁で分断されている状態でした。 アクセスする道路はあるのですが、ぐるりと迂回しており間近なのに、遠い感じがします。 その場所を何度も訪れるうちに、擁壁を壊してしまって傾斜地に戻し、その地下にコミュニティ施設を作ったらどうかというアイデアが浮かびました。 傾斜地を緑地にして、遊歩道を作り、そこに建っている小屋から階段を下りて、アクセスすることできます。 またそのまま、その先の階段を降りると、道路に面した広場に行くことも出来ます。 擁壁として考えたのは、石垣です。 駅にはトンネルをくぐって、反対側の階段から登るようになっていました。 石垣は、この後、コンクリートで覆われてしまいましたが、当時の風景がなかなか良くて、その景観を保存するような意図もありました。 つまり入口は、このトンネルのように作ることを考えました。 内部はコンクリートで屋根を作り、傾斜にあわせて天井を奥にいくほど高くなるように設計しました。 入口から入ると、奥に行くほど天井が高く、空間が広くなっており、実際より大きい空間に見えるという効果も期待していました。 擁壁を撤去して傾斜地に戻し、穴を掘って地下空間を作るというアイデアではありますが、施工手順としては、擁壁を石垣に盛替え、コンクリートの屋根を作って埋め戻すという流れになります。 前回の現代的竪穴住居の発想も踏襲していて、地下にすることによって、温熱環境がよくなり、省エネなどの効果も期待できると考えました。 この頃は、建物を設計しやすいように、土地を水平垂直に切り分け、力で抑え込むような従来の発想より、緩やかに受け流したり、情緒として取り込むような建築を作りたいと思っていたような気がします。 プロポーザルでは負けてしまいましたが、勝った有名な建築家の案も、結局は実現しませんでした。 復興需要と東京オリンピック需要が重なったことによる、人手不足や建設費の高騰が原因で、一時プロジェクトが白紙になったためです。 そういう意味では、勝者のいないプロポーザルでしたね。 #
by 3839ttsy
| 2020-02-12 12:04
| アンビルド
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多くの建物は地面が水平であることを前提に作られます。 でも、実際には地面が水平であることはほとんどなく、擁壁などで高さを調整しています。 ところが、最近は擁壁を作って造成しても、水が確実に流れるように勾配をつけるため(造成側の配慮で)、やはり水平ではないのです。 このため、大きい建物だと、無理が出てくることもあったりします。 いずれにしても、それほど高低差がない土地でも、その場所、その場所で床の高さなども変えていくほうが、正しい設計アプローチではないかと思うことがあります。 また、一般的に木造住宅であれば60㎝程度、鉄骨造や、鉄筋コンクリート造であっても、50㎝程度は地面から床を上げるものです。 日本の住宅は、なぜそれぐらい床を高くすることが一般的となっているのか、よく考えてみると、明確な理由がわかりません。 昔学校でならったことに、竪穴式住居と、高床式住居というものがありました。 竪穴式住居は、穴を少し掘って、それをそのまま床にする住居で、高床式住居は、地面より床を高くしたものです。 現在の木造住宅は、高床式住居に該当するでしょう。 日本は湿度が高いから、床を高くして床下を通風するのが衛生的ということもあったでしょうし、水害があった場合においては、床が高いことによって、被害が少ない可能性はあると思います。 一方で、温熱環境的には不利であると言われています。 地面の熱は、年間を通して外気より安定しており、もちろん場所にはよりますが、15℃前後(年間平均気温程度)で、あまり変動がありません。 竪穴式住居は、温度変動が少ない深さまで穴を掘っているため、冬でも暖かかったという研究論文も見たことがあります。 現代の住居は風が通り抜けるように、換気口を設けているため、床下の温度は外気とさほど変わりません。 従って冬の床下は寒いということになります。 昔の技術では、寒いことより、食べ物が腐らないことなど衛生面を優先せざるを得ず、また水害のある地域では、浸水被害を受けないことも重要であったと思います。 古文で習った、徒然草の「住まいは夏を基準にすべし。冬はどんなところでも住める(意訳)」という思想が、根強く高床式を支持しているようにも感じます。 しかし、現代の技術なら温度や湿度をコントロールできるし、気密性の高い空間を作ることも出来ます。 また冷蔵庫もあります。 水害に関しては、今も昔も変わらないと言えますが、水害の恐れがない土地もあるでしょう。 例えば傾斜地では、水がたまることはないので、住居内への浸水の可能性は低いと言えます。 前置きが長くなりすぎましたが、この計画は山の中腹よりやや下の傾斜地に、住宅を建てるものであり、擁壁はあるものの敷地自体にも少し傾斜がありました。 一般的な木造住宅のような床下空間はありません。 そうすることで、建物の高さも抑えられるという、副次効果もあります。 しかし、何度かの打合せの末、「やっぱり普通の床の高さにしてほしい」という依頼者様の要望により、現代竪穴式住居は実現しませんでした。 八角形の展望台(海が見える)と、ギャラリー廊下、屋根上バルコニーの提案も含まれていましたが、予算の関係で、いずれも取りやめになりました。 模型は、当時の所員N君の力作でした。 #
by 3839ttsy
| 2020-02-05 21:18
| アンビルド
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この建物全部ではなく、手前側の平屋部分を建て替えする計画でした。 自然エネルギーを有効に使うことを考えていて、ポイントは2つありました。 太陽熱の利用には、大きく分けて二つの考え方があり、アクティブソーラーシステムとパッシブソーラーシステムにわかれます。 アクティブソーラーシステムは機械を使って、屋根にあたる太陽の熱などを暖房や、お湯を沸かすことに使う方法。 パッシブソーラーシステムとは、機械を使わない方法です。 壁や床など直射日光があたる部分で蓄熱して、暖房の補助にするようなイメージです。 ダイレクトゲインはパッシブソーラーシステムの一つであり、床に蓄熱するタイプです。 蓄熱材は、石やコンクリートなどで、ある程度ボリュームを持たせるようにします。 冬には蓄熱はしたいですが、夏にはむしろ蓄熱を避けたいので、太陽の高さを考慮して、夏には日が当たらず、冬は日が当たるように、庇の位置を計画しました。 もう1つは、換気のための高窓です。 換気にもパッシブソーラーシステムと同じように、機械をつかわない「重力換気」という方法があります。 高いところと、低いところに窓があると、あたたかい空気は軽いので上に上がって、高い窓から出ていき、低い窓から冷たい空気が入ってくるという現象がおこります。 これを利用したのが、重力換気です。 居室の窓と、廊下との出入口のドア、そして、廊下の高窓を開けると、重力換気が起こり、夏涼しくなるという設計になっています。 ダイレクトゲインの土間や、煙出し窓は、その後、I邸新築工事でも提案しました。 土間は実現し、煙出し窓は途中まで計画していたのですが、予算の関係で断念しました。 余談ですが、今年I邸の依頼者様から年賀状をいただき「とても居心地がいいので、気に入っています」という嬉しいコメントをいただいています。 #
by 3839ttsy
| 2020-01-29 19:28
| 建築
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元々家が建っている敷地に、寝室と客間を設けるための離れを設計させていただきました。 長方形のシンプルな平屋ですが、特殊なのは出入口が、母屋のほうの北側と駐車場のほうの南側に必要なことでした。 要素としては、親戚や友人を招いて食事会などをするためのオープンなスペースと、寝室などのクローズなスペースがあります。 真ん中に出入口と、緩衝スペースがあり、オープンなスペースと、クローズなスペースを左右に分けます。 緩衝スペースには旅館のように坪庭があり、回廊とまではいきませんが、渡り廊下でつながっている部分があります。 実はこの坪庭は後付けで、ここに至るまでに一つのアイデアがありました。 それを表したのが、この概念図です。 二つの部屋の間に渡り廊下や中庭があり、でも屋内なので濡れたり、冷たい風に当たったりせずに行き来出来ます。 和風なのに、ガラス張りでモダンな要素があるのも、面白いのではないかと思われました。 当初は依頼者様も乗り気になりかけたのですが、結局「そこまで斬新な感じでなくていい」ということになり、一度は切って広げたところを、また戻してくっつけたような形状になりました(笑) この時はパースは描くにまでいたらなかったのですが、LDKの側から、中庭を見るとなかなかいい雰囲気になっただろうと思います。 描けば実現したかもしれませんね。 #
by 3839ttsy
| 2020-01-21 22:39
| アンビルド
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築100年近いと思われる古民家を、当社の事務所にリノベーションするために計画したものです。 結局、資金計画などがうまくいかず、断念しました。 もともとの事務所に比べて大きい建物だったので、2階だけでも十分でした。 古民家なので、耐震補強も必要になるのですが、その仕切りをコンクリート打ち放しの壁にして、補強を行ってはどうかと思いました。 さらに、そのコンクリートを空間を仕切る、古来の道具である「屏風」のような形にすれば、構造としても丈夫だし、意外性もありつつ、和の空間になじむのではないかと考えたのが、この案です。 実は下絵までしかなかったのですが、この投稿のために着色しました。 最近、覚えたテクニックですが、部分的に写真から素材を切り取ってコラージュしています。 そこまでパースで表現できないのですが、スポットライトなどを使うと、さらに陰影が面白くなるだろうと思います。 この計画を断念してから、結局、別の古民家をリノベーションして、事務所として使うことになったのですが、このアイデアを踏襲して、コンクリート打ち放し壁で補強を行いました。 いつか、コンクリートの屏風も実現したいですね。 #
by 3839ttsy
| 2020-01-18 17:51
| アンビルド
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