建築・企画・設計・監理
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rakraは北東北の情報誌で、盛岡の出版社が発行しています。 教えていただいた連載小説「潮風の速さはどれくらい」は、みちのく潮風トレイルを舞台にしており、作者は盛岡在住の、南海遊(みなみ・あそう)さん。 2人の男女が、それぞれ北と南からみちのく潮風トレイルを歩き、岩手県の宮古市の岬で出会うかもしれない!?というお話だそうです。 青森在住で、南下コースを辿る楠川翠と、宮城県石巻在住で、北上コースを辿る神原健次の物語が、交互に掲載されています。 この企画の面白いところは、ストーリーもさることながら、二人のインスタグラムのアカウントが実在して、物語の進行に合わせて写真が投稿されているところです。 興味を持ったので、読んでみようと思ったのですが、購入するまでもなく、その最新2巻を、先日いただいてしまいました。 2022年11・12月号と2023年1・2月号です。 そのうち2022年11・12月号は楠川翠の回でした。 舞台は田野畑村の北山崎から明戸海岸のあたり。 物語の中で、吉村昭の短編「梅の蕾」が紹介されます。 それは、無医村だった田野畑村に赴任してきた医師の妻が植えた、実在の梅の木をテーマにした物語ということでした。 この物語を読むと、みちのく潮風トレイルにも行きたくなりますが、本も読みたくなるんですね。 最後に訪れた場所の説明や、梅の蕾が収録されている短編集「遠い幻影」の紹介もありました。 なかなか見つからなくて、けっこう探してしまったのですが、名古屋の書店で発見。 (本当は盛岡で買うべきなんでしょうが、行くタイミングがなく…) 遠い幻影の最初に掲載されている梅の蕾、読んでみました。 いつの時代なのか、はっきりわからないのですが、当時の村長が現代にも通づる酪農を推進した話や、三陸鉄道と思われる第3セクターの鉄道が出来た話などが出てきます。 当時の田野畑村村長の悩みは、村の診療所に医師がいないことで、各方面に誘致を働きかけていました。 ある時、一流の大学を卒業した、千葉県の癌センターにつとめる優秀な医師が、診療所に来てくれることになりました。 2年間、田野畑村で診療を続けるうちに、村人の信頼も得、医師の妻にもたくさん友だちが出来ます。 あることがあって、一旦その医師は、関東に帰ってしまうのですが、その時、村人たちがとった行動に心を動かされ、再び田野畑に戻ってくるというお話でした。 とても感動的な物語ではあるのですが、程度の違いこそあれ、もしかすると私たち他県からの移住者も、多かれ少なかれ同じような気持ちになって、岩手から離れられなくなったでのはないかと感じました。 それは岩手の人のあたたかさ、口には出さないけど、態度にあらわれる人懐っこさみたいなもの。 思い返すと、私も初めて会ったばかりの人に何度か「いつまでいるんだ?」と聞かれて、ちょっとびっくりしました。 その言葉の中に「ずっといてほしい」というようなニュアンスを感じたからです。 会ったばかりなのになんで?と思いました。 劇団もしょこむのメンバーで、京都から来ていたMさんは、住んでいた仮設住宅から、劇の小道具で使うためにテレビを運んでいたら、同じ仮設の人たちに「京都に帰るの?」と心配されたそうです。 ほっこりするエピソードです。 災害ボランティアを含め、さまざまな理由で岩手を訪れてた人の心をつかんで離さず、時には移住まで決意させてしまうのは、そんな岩手の人の親密さや、愛情深さのせいではないかと思います。 梅の蕾の具体的なエピソードとは違うけど、なんとなく通づるような体験が、それぞれあるではないかと感じたのでした。
by 3839ttsy
| 2023-01-30 19:09
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