建築・企画・設計・監理
(株)宮崎建築事務所 〒510-0242 鈴鹿市白子本町5-29 TEL:059-368-3330 宮崎達也 HP:http://miyazaki-archi.nobushi.jp/ mail:3839ttsy@gmail.com カテゴリ
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今月から福島県の只見町というところの高校生に、大学受験のための講義をすることになりました。 私をよく知る人ならご存じの通り、塾の先生などではないですし、家庭教師さえやったことがありません。 また、只見町には去年までは、縁もゆかりもありませんでした。 2012年から釜石と鈴鹿の二拠点居住をしていますが、福島県の奥会津といわれる地域の只見町は、地図で見ると、そのちょうど真ん中ぐらいにあります。 最初にその地域で講師の話をいただいたときに、二拠点間の通り道なのかと思ったら、それは大きな間違いで、東北自動車道の郡山ジャンクションから車でおよそ2時間半かかります。 往復で5時間…ちょっと寄るという感じではないですね。 講師の話というのは、以前、当所で運営している釜石のコワーキングスペースco-ba kamaishi marudaiの会員であり、地域おこし企業人として、株式会社LIFULから釜石市に派遣されていたKさんの紹介でした。 同社が福島県から委託を受けている、アドバイザー派遣事業のアドバイザーとして、お声をかけていただいたのでした。 なぜ私がその候補になったのかというと、内容が空き家活用だったからです。 アドバイザーとして現地に行ったのが、昨年の12月、国内屈指の豪雪地帯である只見町に雪が降る直前の時期でした。 内容は以前、宿泊施設であり、現在は空き家になっている建物の活用方法のアドバイスだったのですが、そこに話を聞きに来ていたのが、空き家のオーナーさんと、地元の高校生のグループでした。 高校生のグループは、地域の課題を研究する授業の一環で、同物件の活用を検討していました。 その後、高校生のみなさんから、さまざまな活用提案(学習スペース、観光者と地域の人をつなげるバー、ワーケーション施設、ご当地ゆるキャラ「ブナりん」をテーマにしたブナりんカフェなど)が生まれました。 そして、その提案をプレゼンするために、再度、私のほうにオンラインでのアドバイスの依頼がありました。 私はインテリアパースを作成する提案をし、描き方を教える動画を作りました。 人に教えるには、自分が出来ないと話にならないと思い、ほとんどやったことがないですが、パソコンを使わず全て手描きの動画を作りました。 動画は他の時間に見てもらうことにして、オンラインでのアドバイスの当日は、パースの描き方の基本を教えるパートと、プレゼンの仕方を教えるパートの2部構成としました。 プレゼンについては、人に教えるほどのスキルはないのですが、スティーブ・ジョブスのプレゼン動画などを見たり、書籍を読んだりして勉強しました。 アドバイスの時間が終わり、担当の町役場の人が締めようとすると、高校生のみなさんがなにやら相談をはじめて「お願いしたいことが…」と切り出しました。 後日、私に自分たちのプレゼンを見て、アドバイスをして欲しいということでした。 町の担当者さんは、2回のアドバイスは有償だったのですが、そちらはもう予算もないと言いました。 私は無償でも喜んで受けることにしました。 自分を頼ってくれることがなんだか信じられず、とても嬉しかったので。 まことに僭越ながら、講師をさせていただく機会はこれまで何度かありましたが、それがなにかのためになったのかわかりませんでした。 今回のように明らかなリアクションがあったのは、初めてのことでした。 リハーサルを見させていただくと、すでに素晴らしい内容で、パースも上手に描けていました。 いくつかアドバイスをさせていただいたものの「すでに十分」という感じでした。 3月の本番(高校での研究発表)には行きたかったのですが、仕事の都合でどうしても行けず、町の担当者の方から、後日、動画を送っていただきました。 リハーサルでは空き家の使い方の提案に留まっていて「誰がやる」という話はなかったのですが、本番では「いつか実際に空き家を活用して、その姿をお見せします」と言っていました。 ところで、最初に空き家活用の話に行ったときに、頭にあったのが、海士町の高校魅力化のことでした。 釜石で参加している勉強会で、「未来を変えた島の学校」という本を読んで、島根県の隠岐諸島にある海士町の島前高校の取り組みを知りました。 生徒が減って、廃校寸前の高校が「島留学」で全国から生徒が集まる高校に生まれ変わるまでを書いた本でした。 その中には、空き家を使って公営塾を作り、そこに通う高校生がAO受験で早稲田大学に合格するという逸話がありました。 勉強会では本を読んだ後「実際に行ってみよう」ということになり、有志メンバーで海士町に行きました(過去の日記)。 只見町で空き家活用の相談と、高校生が使いたいと言っているという話を聞いて、まさに公営塾が出来るのではないかと思ったのでした。 実際には相談を受けた空き家を、公営塾にするところまでは話が進みませんでしたが、4月になってから思いがけない依頼がありました。 それは、私の話を聞いていた高校生の一人が、大学の建築学科を志望しているので、オンラインで指導をして欲しいという、そのお父さんからの依頼でした。 最初は大学の建築学科と言っても、入試に建築の項目はないのでは?普通の教科を教えてほしいということかな?と戸惑いましたが、とにかく引き受けることにしました。 こんなにうれしいことはめったにないので、普通の教科を教えてほしいというなら、英語、国語、数学、理科、社会、なんでも勉強して教えようとまで思いました。 調べてみると、そこまで悲壮感をただよわせる必要はありませんでした。 受験する大学のホームページを見ると、AO入試(総合型選抜)の過去問が公表されていて「なるほどこれのことか」と思いました。 建築やデザインの実技的な内容で、高校の先生に指導するのは難しいだろうと思われました。 詳しい話を聞くために、先月もう一度只見町に行き、改めて生徒さんとお父さん高校の先生と面談。 そして今月からオンラインで講義をすることになりました。 1回目の講義が11日にあって、緊張しましたがどうやら面白いと思ってもらえたようです。 今後は受験の日まで15回の講義をすることになります。 海士町に行ったとき、ガイドをしてくださった「風と土と」のAさんに、最後に聞かれました。 「この研修を受けて、あなたは何をしますか?」と。 私は「高校魅力化に取り組みます」と答えたのでした。 しかし、まさか釜石でも鈴鹿でもなく福島県の只見町で、海士町の公営塾と同じくAO入試の先生をするとは思いもしませんでした。
by 3839ttsy
| 2021-05-18 15:27
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