建築・企画・設計・監理
(株)宮崎建築事務所 〒510-0242 鈴鹿市白子本町5-29 TEL:059-368-3330 宮崎達也 HP:http://miyazaki-archi.nobushi.jp/ mail:3839ttsy@gmail.com カテゴリ
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一昨日、(仮称)尾崎半島トレッキングコース整備チームのMさんこと村上さんから、釜石市の連続公開講座で、建築家の川添善行さんの講演があると、情報をいただきました。 それが、昨日だったのですが「それは行くしかない!」と思い、参加してきました。 …といっても、私は川添さんを存じ上げなかったのですが^^; ただ、設計された佐世保のスマートハウスは、雑誌か何かで見たことがありました。 HISの澤田社長が買い取って、自宅にしたということで、話題性があり、もしかすると一般のニュースだったかもしれません。 いずれにしても、それぐらいの知識しかありませんでした。 しかし、釜石にいると、建築家の方の講演が聞けるチャンスも少ないかなと、同業で私と同じように単身大槌にやってきて来ているTさんをお誘いして、ともかく参加することに。 結果的に、とても有益な話が聞けました。 全然、情報がなかったので、もしかしてガラガラかと思ったのですが、飛び入りの私とTさんでちょうど満席ぐらいでした。 見たところ、市の職員さんが多いようでした。 たまたま、今回は建築がテーマだったのですが、連続公開講座は、復興に関するさまざまなテーマで、東京大学が開催しており、今年度は3回目だったようです。 いつもお会いする建築関係の職員さんは、ほとんど参加されていました。 勉強熱心ですね~ 川添さんは1979年生まれということで、建築家としては若手ですが、東京大学に研究室を持っておられる、いわゆるプロフェッサーアーキテクトということになるでしょうか。 東京大学を卒業してから、オランダにも留学されたそうですが、オランダでは日本のように建築と土木が明確に分かれておらず、日本との違いを感じたそうです。 そういえば、オランダは海面より低い土地が多いと、昔、社会の授業でならった気がします。 ということはつまり、大掛かりな土木工事が行われたということなんですね。 東日本大震災が起こって、津波の被害があった土地では、建物を作るために、土木と建築が一体になって計画を進める機会が増えましたが、それまでそういうことは少なかったと思います。 ある意味、オランダと似たような状況になりつつあるということでしょうか。 「建築はその土地の環境に合わせて作られるもの」というのは、最近よく言われていることですが、それを裏付ける話として、竹富島のことを話されていて、それが通説を超える驚きの内容でした。 竹富島は台湾に近い南の島で、台風の通り道でもあります。 そして、今でこそクーラーがありますが、昔はそういうものはなく、暑さに対応するためには、風が通る家を、しかし、台風に備えるためには、風が通らない家を必要としたはず。 その矛盾する課題に、竹富島の集落は、家単体でなく、集落という単位で対応していたことが、実験によってわかったそうです。 台風のような強い風は、家の周りに廻らされた石塀や、樹木で防ぎ、普段の風は、それらのおかげで、適度に家の中に通るように、配置されていたそうです。 さらに、家と家の間の通路も、風が通りやすい適度な間隔になっているのだそうです。 にわかに具体的には理解しにくい話ですが、そういう科学的ともいえるまちづくりを昔の人がしていたとしたら、とても不思議です。 建築はフィードバックの集大成ですが、何百年というフィードバックの成果なのかもしれないですね。 また、建物単体でなく、外構、植栽、町の配置そのもので、課題を解決していたというところも、目からウロコで、学ぶべきところが多いです。 新しい町や建物を作るにしても、もっと、伝統的な建物や、集落などに目を向けて、優れた点を学ばなければいけないと思いました。 最後に質問の時間があり、行政の方が多い中、やや場違いながら質問をさせていただきました。 質問の内容は割愛しますが、川添さんのお答えの中で、オランダでは民間の建物と公共の水路や道路が平面的に重なっていたりすることがあるということを教えていただきました。 それは、日本では難しいことなのですが、従来は出来ないことでも、行政と住民と建築関係者が一体になれば、地域特有のものを作ることが出来るのではないかというお話でした。 それで思い出したのですが、釜石には昔、橋の上に建てられた建築があったそうです。 そこは海産物などの市場になっていて、日本では唯一の、珍しい建造物ということで、釜石のシンボルの一つだったそうです。 橋上市場といって、今、私が仕事している事務所の目の前にあったようなのですが、10年以上前に解体されて、今は影も形もないので、ちょっと信じられない感じもします。 たぶん、川の上に建物を作るとなると、法律や所有者などの関係で、今では難しいような気がしますが、復興に際し、そういった日本で唯一というような、チャレンジングな建造物が、また釜石に作られたらいいかもしれないなぁと思ったのでした。 幸せのデザイン (株)宮崎建築事務所
by 3839ttsy
| 2015-01-29 19:17
| 建築
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