建築・企画・設計・監理
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2年前にバルセロナに行きました。 目的はガウディを見ることだったのですが、意外にも自分の中で最も「よかった」のは、ガウディのサグラダファミリアをはじめとする、単体の建築ではなく、旧市街という街でした。 以前の日記にも、旧市街の細い路地と、広場で構成された空間が素晴らしかったと書いた覚えがあります。 ヨーロッパの広場文化や、近代都市計画は素晴らしいというような内容だったと思います。 ところが、昨日、ある本を読んでいて、そのバルセロナの旧市街地が、現代の都市再生事業によるものらしいということがわかりました。 それに関連する本も出ているようで、いずれ読んでみたいと思っているのですが、まずはネットで検索。 すると、結構詳しく解説されているページがありました。 旧市街は、近代になってから急激に人口が増え、建物が密集しすぎて環境、治安が悪化し、病気がはびこったり、犯罪の温床となって、スラム化していたそうです。 これにはびっくり。 確かに人気のない細い路地もあって、危険な感じがするところもあるにはありましたが、すぐに明るい広場に出て、どの路地も、全体的に人が多く往来し、文化的でお洒落な街並みでした。 また、車道が少ないため車が通らず、徒歩で自由気ままに回遊できるというところも、珍しくて魅力でした。 そのようになったのは、20世紀の終わりごろ、多孔質化という手法で、都市の再生を図ったためで、従来の計画道路を通して、土地区画整理をするというような、一般的な手法をとらなかったためなのだそうです。 もともと近代の都市計画の流れに従って、広い道路を貫通させる計画があったようなのですが、計画されてから1世紀近くたっても、反対や戦争などの影響で実現されませんでした。 そこでバルセロナ市は、多孔質化という新しい手法に方向転換。 道路を通すとなると、やや強引な立ち退きが必要になり、時間も何十年とかかったりしますが、穴をあけるような形だと、比較的、無理なく早く進められて、なによりも市民に、効果が早く感じられるんですね。 具体的には、建物が密集したところの一部を解体するということになるのですが、それによって、街の中に光と風が入って環境が改善し、さらに、歩車分離の魅力的な街に生まれ変わったというわけなのでした。 実は最近、都市計画にしても単体の建築にしても、一人の(あるいは少数の)人間がデザインするものに、限界のようなものを感じるようになってきていて、それよりも長い時間をかけて形成され、多くの人の営みによって作られてきた、街そのものに魅力を感じるようになってきたところがあります。 (こんなことを書いていて、設計者としてどうなんだということもありますが^^;) ただし、無計画に出来てきた街が必ずしも美しいわけでなく、そこに少し飾りつけをするようにデザインを付加した街に、魅力を感じるのです。 まさに、その体現がバルセロナの旧市街だったのだとわかり、確信を強くするところがありました。 幸せのデザイン (株)宮崎建築事務所
by 3839ttsy
| 2014-11-10 21:46
| 建築
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