建築・企画・設計・監理
(株)宮崎建築事務所 〒510-0242 鈴鹿市白子本町5-29 TEL:059-368-3330 宮崎達也 HP:http://miyazaki-archi.nobushi.jp/ mail:3839ttsy@gmail.com カテゴリ
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この本の名前を知ったのは、いつのことだったのか思い出すことが出来ないのですが、椎名誠さんのエッセイに出てきたのではなかったかと思います。 するとおそらく、学生の頃、20年ぐらい前でしょうか。 そんな昔に名前を見ただけで、ずっと忘れられないというのは、ネーミングが秀逸だからに違いありません。 古典SFの名作、フィリップ・K・ディックの「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」です。 SF的でありながら、哲学的でもあり、ユーモアも感じる題名です。 どんな内容かと気にはなりましたが、昔の小説だし、なんとなく難しそうだと思って、読もうとは思いませんでした。 ところが最近、何を思ったか、ふいに読もうと思いたって、電子書籍で購入しました。 そして、ついにその謎の題名の正体を知りました(笑) といっても、それまでにもう一つの流れがあって、こちらも名作と名高い、映画版の「ブレードランナー」を…これもいつ見たかはっきり覚えていないのですが、たぶん4,5年前に見たのでした。 バイオレンス性が強くて…というか、ややサディスティックな感じで、目を覆いたくなるところもありましたが、映像のインパクトが強くて忘れられない映画でした。 私の周りでは、特にデザイン系の仕事をしている方には、全般的に評価が高いような気がします。 人間かレプリカント(アンドロイド)かを判定する試験で、機械に人の眼球がすごく大きく映っているシーンとか、女性型のレプリカントが、お腹を拳銃で撃たれて、苦しむシーンの非人間的な感じとか、忘れられないシーンがいくつもありました。 原作のほうは意外にも読みやすい感じで、読み始めるとすぐに止まらなくなりました。 「難しそう」という、私の予想ははずれました。 何ごともやってみないとわからないものです。 映画では苦手だった、バイオレンスシーンもありませんでした。 それどころか、映画と原作は、内容が全然違いました。 レプリカントという言葉も出てこないし、ブレードランナーという言葉もありません。 それらは、アンドロイドとバウンティハンターという名前で登場します。 アンドロイドは火星に移民した人類を助けるために存在するのですが、時々、主人を殺害し、地球へ逃げてくるものがあります。 それを処分するのがバウンティハンターです。 原作はアクション的なシーンはほとんどなく、というかその部分は端折っている感じで、世界の背景の説明、登場人物の思考、(時にウィットの効いた)会話などに重点が置かれている感じです。 感覚的にはあまりスピード感がなく、ややのんびりした感じです。 そして、題名にもある電気羊が、結構重要なポジションを占めています。 電気羊は、何かの暗喩かと思っていたんですが、実際に出てくるんですね。 最初に、この世界では、動物を飼ってかわいがることが、人間としての証明であるという世界観が描かれます。 そして、新型のアンドロイド、ネクサス6型が登場。 このアンドロイドは外見、頭の良さ、俊敏さともに、これまでのものとは性能が違います。 そのため、人間とアンドロイドを見分けるための、フォークト・カンプフ試験の信ぴょう性が危ぶまれます。 つまり、人間とアンドロイドはどう違うのか、という問題提起がなされるんですね。 中盤辺りの見どころは、登場人物が、それぞれ人間なのかアンドロイドなのかわからなくなるという、サスペンス的な展開です。 私自身も本に入り込みすぎてしまって、コンビニに行った時、店員さんが人間なのかアンドロイドなのかわからなくなりました(笑) 次に主人公のアンドロイドへの感情移入、そして道ならぬ恋などがテーマになります。 そして、その辺りがもっと掘り下げられるのかと思うと、終盤では、むしろアンドロイドは、明らかに人間と違うというところが目立ち始めます。 この頃のアンドロイドの印象は、いかにも電気羊の夢を見そうな感じなんですね。 最後に、人類の宗教感の崩壊と、再構築のようなものが描かれて終了。 その間、わずか一日。 バウンティハンター、リック・デッカードの長い一日が終わるというわけです。 名作にはよくある「あの物語は一体はなんだったのか?」と、いつまでも考えてしまうような終わり方でした。 こうして、長年の題名への疑問が解け、内容への疑問に変わりました。 いずれにしても、いつまでも、人の心を引きつけてやまない物語です~ 幸せのデザイン (株)宮崎建築事務所
by 3839ttsy
| 2013-10-25 22:10
| プライベート
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