建築・企画・設計・監理
(株)宮崎建築事務所 〒510-0242 鈴鹿市白子本町5-29 TEL:059-368-3330 宮崎達也 HP:http://miyazaki-archi.nobushi.jp/ mail:3839ttsy@gmail.com カテゴリ
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昨日の日記に書いたとおり、あの後、東京で展覧会を見てきました。 KAMAISHI LETTERPRESSというグループが主催している、「たりないかつじのためのことば てん」です。 場所は馬喰町ART+EAT。 東京駅につくといつものことながら、しばらく迷ってウロウロし、なんとかたどり着きました。 ところで、馬喰町ってなんて読むのかなと思っていたら、「ばくろちょう」と読むんですね。 予想の斜め上を行く読み方という感じです。 「うまぐいちょう」と読んでました^^; 昨日の日記でも少し書きましたが、釜石で活動するボランティアチーム023のメンバーが、グループのお一人で、発想がすごいなと思ったので、どうしても見に行きたいと思っていました。 私もそうですが、多くの人が被災地に行ってボランティアをしたりして、地元に帰ってから、何かしなくちゃいけないという使命感にかられつつも、有効な活動が思いつかないという状態ではないかと思います。 この企画はそんな気持ちを、決断力と、実行力と、ねばりづよさで、みごとに形にした企画だと思います。 私はその時には、釜石のボランティアはしていなかったのですが、震災後1年は経っていない頃、津波で浸水した印刷屋さんの片づけをするボランティアがあったそうです。 その時に、浸水をのがれた3階に、活字の棚があり、地震で活字がちらばっていたそうです。 オーナーさんは、今では活字はあまり使わなくなったこともあり、またトラックの荷台がいっぱいになるほどの活字を、順番に並べて棚に戻すのが大変な手間だったため、やむなく処分することにしたそうです。 そのとき、メンバーの一人の坂井さんが、活字の価値を知っていて、オーナーさんの許可を得て、土のう袋に一杯だけ持って帰った、その活字を使った、詩の作品の展覧会でした。 実のところ、私も時々、ボランティアをしていて捨てないほうがいいんじゃないかと思うものがあったりするのですが、他のボランティアさんの勢いに負けて、そのまま捨ててしまうこともよくあります。 まずは、よくそこで勇気を出して持って帰ったと思うのです。 とはいえ、坂井さんも最初は、この活字を何に使おうか、具体的に考えていたわけではなかったようです。 いろいろな人に相談するうちに、活字を使える機械を持った、銅版画家の方と出会ったり、ギャラリーのオーナーと出あううちに、このような企画が出来たということでした。 作品を提供していただく詩人の方にも、そんないきさつから快諾をいただき、12名の詩人が企画に参加。 なんと、詩人であり、数々の絵本、文学作品を手がけられている、谷川俊太郎さんも作品を提供しています。 これにはびっくりです。 そして、足りないひらがなと、一部の漢字しかない、しかも大きさもまちまちの、ややランダム的に拾ってきた活字だけで、詩を考えてもらい、紙の作品として仕上げています。 なかには、その詩に着想した、銅版画がついているものもあり、それも有名な銅版画家の方が作品を提供しているそうです。 発想が素晴らしい上に、多くの、しかも力のある人を巻き込む実行力がすごいですね。 味のある活字で書かれた詩は、レイアウト、配列、選んだ紙などにより、一つの芸術作品のような美しさでした。 東京にはいろいろな人がいるもので、紙の選定の専門家、ペーパーディレクターという方に、紙を選んでもらったそうです。 オーナーさん本人も気づいていなかった(と思われる)、活字の美しさ、価値がまずあって、そこに震災やボランティアなどのドラマがあり、言葉に命を吹き込む詩人やアーティスト、各分野の専門家の力があり、これら全ての過程から、このような芸術作品、展覧会が出来たんだなと思います。 あまり意識したことがなかったのですが、活字印刷というものも、単なる機械の仕事ではなく、人の手の暖かさを伴う仕事なんだなと思いました。 そういえば、先日読んだ「銀河鉄道の夜」でも、主人公のジョバンニが活字拾いのアルバイトをやっていました。 とても素晴らしい展覧会です。 お近くにお住まいの方は、是非、足をお運びください。 ART+EATの名前通り、コーヒーを飲んだり、食事も出来ます。 私は見学に夢中で、すっかり注文するのを忘れたまま、出てきてしまいましたが^^; 会期は11月2日まで。 その後は、現地、釜石にも巡回展を予定されているようです。 ひそかに、私がお送りした釜石各所の写真も置いていただいていました。 なんだかもう、あんなオシャレな空間に、恐縮な限りでしたが^^; そういうところに、いつも会っているチーム023のメンバーの写真などがあることも、なかなかエキサイティングでした~(笑) 幸せのデザイン (株)宮崎建築事務所
by 3839ttsy
| 2013-10-18 17:47
| 足りない活字のためのことば展
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