建築・企画・設計・監理
(株)宮崎建築事務所 〒510-0242 鈴鹿市白子本町5-29 TEL:059-368-3330 宮崎達也 HP:http://miyazaki-archi.nobushi.jp/ mail:3839ttsy@gmail.com カテゴリ
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釜石は建築的に本当に熱いところです。 もちろん、それは東北太平洋岸全ての地域で、釜石に限ったことではないでしょうが、ともかく釜石市内で何人の有名建築家を見たことか。 今日は宮本佳明さんと、貝島桃代さんという方を見ました。 いずれも、建築雑誌で名前をお見かけするような有名な方です。 といっても、私はたぶん、宮本さんのことを、以前もお見かけしているはずです。 12月に行われた、プロポーザルの公開ヒアリングの時に、いらっしゃったはずなので、気が付きませんでしたが、近くにいたはずなのです。 実は、最近まで知らなかったんですね^^; 貝島桃代さんはアトリエ・ワンという建築ユニットに参加されている建築家のお一人です。 こちらもやはりプロポーザルで決まった設計グループなのですが、前述のお二人を含むアーキエイドというグループと、釜石‐遠野の建築士や木材協会などのグループが合同で参加しています。 こういう試みは地元の建築関係者にも刺激になるし、逆に全国で活躍する建築家の方にとっても、この地方のやり方や、優れた材料、技術を知ることが出来ていいですよね。 (この辺りの大工さんは、気仙大工の流れを汲んでいて腕がいいそうです) そのグループが、釜石市内の半島部分に点在する集落の、災害復興公営住宅を設計することになっているのです。 ご存知のように、釜石市はリアス海岸を多く含む市なのですが、湾の部分がある程度まとまった集落になっているのに対し、半島のところは切り立って、全体的に険しい山になっています。 その切り立った海岸の間のわずかな平地に、孤立した小さい集落が点在しているのです。 その集落もやはり津波の被害を受けていて、高台移転を含めた宅地造成や、災害復興公営住宅の設計を、住民とのワークショップを行いながら進めていくというわけです。 今日はそんな中の、根浜地区についてのワークショップがありました。 昨日と同様、参加はフリー(ちなみに場所も同じ)。 昨日に引き続き、なかなか貴重な体験をさせていただいています。 集落の高台移転と言うことですが、具体的な計画というのを初めて見ました。 現在、根浜地区には、鵜住居という鉄道の駅などもある町から、海沿いの道を通らないと入ることが出来ないのですが、海沿いを通ることなく、直接山の間を通って入ることが出来る道路整備と、それに沿った形の宅地造成という、なかなかダイナミックな計画でした。 高台移転は、山を削るのではなく、15mの盛土によって作った土地に行うということです。 なんだかスゴいですね。 ワークショップの進め方は、3つのテーブルに分かれて、各テーブルに建築家の先生や、設計事務所のスタッフがついて、現段階の造成計画や、個別の住戸に対する意見を出し合うというものでした。 出た意見は、ポストイットに書いて、図面に貼り付けます。 よくわかりませんが、おそらく参加率も高かったのではないかと思われ、なかなか活発なワークショップでした。 宮本さんや貝島さんの運び方が上手だし、住民の方の意識も高く、前向きで思わずうなるようなアイデアもいろいろと出ていました。 中でも最も注目度と期待度が高かったのが、コレクティブハウスに関する意見交換でした。 コレクティブハウスとは、住宅の一部を、他の世帯と共有し、ふれあいや、助け合いながら暮らすことが出来るという住宅形式です。 例えば、大きな食堂があって、数世帯が一緒に食事したりすることが出来たり、子育てのために、お互いに預けあったりすることが出来る空間などをもつ住宅です。 北欧で多く作られている住宅形式だそうですが、東北の、こういった高齢者が多く、顔見知りばかりで助け合って暮らしている、小さい集落で有効ではないかということで、今回、検討材料として提案されていました。 私は猜疑的な雰囲気になって「やっぱり普通のほうがいいわ」ということになるのではないかと思ったのですが、意外にも、お一人の方が「私が音頭を取ってやります!」と言って手をあげられ、どうやら実現しそうな雰囲気になってきました。 貝島桃代さんの大学の恩師が、このコレクティブハウスを研究している方だそうで、次にはその方にも来ていただくという話になったり、みんなで東京のコレクティブハウスを見に行こうという話も出ていました。 これはすごいことになりそうです。 まさに釜石から全国に向けて新しい住まい方を提案するという、かまいし未来のまちプロジェクトの目的と一致します。 貝島さんが「実現したら根浜は、全国からすごいと言われる。みんなで一緒になってがんばりましょう」とおっしゃってましたが、本当にそうですね。 これからどんな町が出来るのか楽しみだし、私も単なる見学者ながら、なんだか興奮してしまいました~ (株)宮崎建築事務所
by 3839ttsy
| 2013-02-10 19:05
| 建築
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