建築・企画・設計・監理
(株)宮崎建築事務所 〒510-0242 鈴鹿市白子本町5-29 TEL:059-368-3330 宮崎達也 HP:http://miyazaki-archi.nobushi.jp/ mail:3839ttsy@gmail.com カテゴリ
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あれからずっと忘れていたのですが、震災後、最初に現地を見たとき、ハードによる津波の防ぎ方を考えたのでした。 その後、メディアや防災に関する講演を聞くうちに、ソフト面での防災、すなわち「逃げる」ことが主流になっていたため、「建造物で防ぐのは不可能」という発想になっていました。 ところが、最近、岩手県の復興計画を見ると、だいたい3つの方針が柱になっています。 高台移転、地盤のかさ上げ、そして防潮堤の復旧です。 ご存知のように、三陸沿岸に整備されていた防潮堤は、津波を防ぐことが出来ず、崩壊してしまいました。 そのため「防潮堤では防げない」という意見が大勢を占めていると思っていました。 ところが、現地の行政や専門家は、防潮堤をあきらめていないようなんですね。 それで、以前に考えていたことを思い出したのでした。 発想としては、湾の入り口で防ぐというものでした。 地図を見ていて気がついたのですが、被害が大きい地域は湾が震源地に向かって開いているのです。 そして市街地がその奥にある。リアス式海岸の大きな特徴の一つです。 その地形のために、津波がだんだんとすぼまって、市街地につくころには、10m以上という高さになっていたりするんですよね。 一方、防潮堤は波を止めるための建造物でした。 ところが、次々と襲いかかる津波のエネルギーを受け止めきれず、崩壊してしまいます。 設計段階では、波をイメージ通り、単発の衝撃と想定していたのではないかと思います。 しかし、実際の津波は、波というより、動く水の塊のようなものだったんですね。 エネルギーが想定よりずっと大きかった。 受け止める発想は不可能ということで、図のようなモデルを考えました。 (下手な図で恐縮ですが^^;) 波をそらして、人にいないところに当てるという発想です。 三陸の海岸は私が見た限りでは、図のような地形をしています。 岬の部分は急峻で、建物はなく山のようになっています。 街があるのは、湾の奥の部分で、そこには河口があります。 その川の周辺と河口だけが平地で、建物があり、街になっているのです。 ここにたどり着く前に、三角形の防潮堤で、岬の部分に波をそらし、エネルギーを吸収させるというイメージですね。 津波の膨大なエネルギーを受け止めるのは、あくまで自然の山に担当してもらうのが合理的と思うのです。 (株)宮崎建築事務所
by 3839ttsy
| 2012-08-15 09:49
| 東日本大震災
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