建築・企画・設計・監理
(株)宮崎建築事務所 〒510-0242 鈴鹿市白子本町5-29 TEL:059-368-3330 宮崎達也 HP:http://miyazaki-archi.nobushi.jp/ mail:3839ttsy@gmail.com カテゴリ
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昨日は岩手県主催の「いわてリノベーションシンポジウム」に行きました。 リノベーションの世界で有名な講師の方々の講演と、岩手県で活躍中のリノベーター(?)を交えて、パネルディスカッションがありました。 会場は県庁の隣にある岩手県公会堂。 会場そのものがリノベーションの対象になりそうな、レトロな雰囲気。 ただ、暖房設備が整っていないようで、ステージの前にストーブが並んでいましたが、ちょっと寒い^^; このあたりが、古い建物をリノベーションするにあたって、課題になってくるというところがよくわかるという点でも、これ以上ない会場かもしれません(※いい意味で^^;)。 講演はHappy Outdoor Weddingを主宰されている柿原優紀さん、東京都豊島区のロイヤルアネックスのオーナー青木純さん、DIYのカリスマ久米まりさん、らいおん建築事務所の嶋田洋平さんが、それぞれ30分ずつ行いました。 いずれも中身の濃い内容で、それぞれに1日分の日記のネタになりそうなのですが、ここでは特に印象に残ったお話を書くにとどめます。 なお、青木純さんのお話は、以前、オガール紫波で開催されたシンポジウムの講演を聞いて(過去の日記)、本も読ませていただいたので、だいたい既知の内容でしたが、切り口などが違っていて、今回も面白かったです。 驚いたのは久米まりさんの講演。 久米さんが結婚して、公営のアパートに入ったところから話は始まります。 リビングは40年前のフォークソング「神田川」の舞台のような四畳半の和室。 夢に描いていた新居とはあまりにかけ離れていて、しばらくは嘆き暮らします。 ところがある時、ご主人さんとホームセンターに行って、いろいろな建材があるのを知ります。 それらを使って「もしかして自分で出来るかも」と一念発起、DIYでアパートの改造に取り掛かります。 そこまでは、そう珍しい話でもないような気がしますが、驚いたのは、その仕上がり。 和室がメインで、畳の床に襖仕切られていた、昭和時代の公営アパートが、ヨーロッパのオシャレアパートのように大変身。 照明器具なども、自作されていて、とってもいい感じでした。 発想がすごくて、写真で見たものを、ホームセンターや、IKEAで買った安価な建材を組み合わせて、それらしく作ってしまいます。 ベニヤに丸い棒を半分に切ったものを貼りつけてモールのようにして、ペンキを塗り、腰壁に貼っているのには、本当に恐れ入りました。 女性のインテリアにかける情熱は、はかりしれないものがあります。 プロも顔負けだと思いました。 久米さんは、DIYの効果を「安く改修できる」ことより、それをすることで「家のことを好きになる」ことだとおっしゃってました。 本当にその通りだと思います。 久米まりさんの次に登壇されたのは、嶋田洋平さん。 リノベーションの世界では有名で、日経アーキテクチュアにも連載講座を持っておられますが、実際にお話を聞くのは初めてでした。 同業者とあって「同感!」と思うことが多かったですが、私よりもっとシビアに考えておられて、5年後に新築工事がなくなるとしたら、建築家(建築士)はどうやって生計を立てるか考えないといけないとおっしゃっていました。 確かに言われてみれば、東北の震災にかかわる工事や、オリンピックのための工事が終わった5年後には、新築工事はなくなると言っても過言ではないほど、激減するに違いありません。 仮にリノベーションの設計をしても、設計料はわずか。 それどころか、久米まりさんのような、プロ顔負けのDIYの達人がいては、出番もありません。 設計だけではなく、新しい業態、ビジネスを考えないといけないんですね。 不動産仲介、建築士(設計)、工事など、きっちり分かれていたような、これまでの分業体制から、領域がお互いに浸食される時代になるということです。 その中に、新しい可能性や、新しい職能が求められる可能性もあり、それはむしろチャンスかもしれない。 では、そのためにどうすればいいのか、月並みな表現ながら、目からウロコが落ちるお話でした。 講演の後は、オガール紫波の岡崎正信さんが進行し、講演をされた4名のみなさんに、岩手のリノベーター(?)2名を加えてのパネルディスカッションでした。 お一人は、私が先月入居したシェアオフィスco-ba HANAMAKIのオーナーで、花巻家守舎の代表取締役、小友康弘さん。 もう一人は盛岡大通のサンビルのリノベーションを手掛けた、小堀薫子さん。 パネルディスカッションは、岡崎さんの独特の型破りな進行で、岩手県主催なのに、こんなアナーキーな感じでいいんだろうかと思いました。 たびたび笑いも交えつつ、決して眠くはならない、刺激的な内容でした。 空き家を活用(リノベーション)するにあたって、行政の指導が障害になる可能性が高いのですが、率先して、県がこういうシンポジウムを実施するということは、とても期待できることかもしれないなと思いました。 幸せのデザイン (株)宮崎建築事務所
by 3839ttsy
| 2016-01-26 22:42
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