建築・企画・設計・監理
(株)宮崎建築事務所 〒510-0242 鈴鹿市白子本町5-29 TEL:059-368-3330 宮崎達也 HP:http://miyazaki-archi.nobushi.jp/ mail:3839ttsy@gmail.com カテゴリ
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昨日の日記に書いた通り、夕方から、オガール紫波に行きました。 3年前に行った時は、オガールプラザという建物しかなかったのですが、久しぶりに行くと、向かいにもう一棟建物が出来て(オガールベース)、町庁舎まで出来ていました。 なんと、庁舎も民間で作ったんですね。 オガール周辺の施設を作ったのは、オガールプラザ株式会社という民間会社で、公金は使わず、全て銀行からの融資で建設しているそうです。 官民連携のPPPという方式だそうですが、官は資金を出しておらず、出来たものに家賃を払って入るという形なんですね。 図書館だけならわからなくもないのですが、庁舎までその方式とは驚きました。 3階建ての立派な建物でした。 昨日の講演は、そのオガールプラザの社長である、岡崎正信さんと、そのお友だちというのか、お仲間というのか…である青木純さんのお話でした。 青木純さんは東京の豊島区で賃貸不動産経営をされている方で、ご祖父さまやお父さまが建てられたアパートマンションを、住む人に合わせてカスタマイズする手法で、大成功されたという方です。 自社の所有されている物件のみならず、区内の他の物件も再生する活動をされていて、結果的に空物件を有効活用しており、町の再生にも一役買っているということで、注目を集められているようです。 たぶん建築系の雑誌で、事例等を見たことがある気がするのですが、はっきり記憶にありません^^; 画期的な賃貸経営をされている青木さんですが、賃貸アパートを住む人に合わせてカスタマイズするという手法は、ささいなことから始まったそうです。 それは、入居する人に、壁紙(クロス)を選んでもらうこと。 クロスは入居者が変わるたびに、張り替えるのがふつうなのだそうですが、基本的には誰が住んでもいいように無難な白いものを貼ります。 それを、次の入居者の方に選んでもらうというわけですね。 聞いてみれば、なんだそんな簡単なことかという感じです。 現代のビニールクロスというのは、どんな色でも、どんな柄でも作ることが出来て、値段はほとんど同じだったりします。 家を新築、リフォームして、クロスを選んだことのある方はご存知と思いますが、多すぎて選ぶのが大変なぐらい、種類があります。 したがって、入居する人が好きな色のクロスを貼っても、大家さんは何も損しないし、それほど面倒もないわけですね。 (※この認識には、間違いがあったので、後日の日記で訂正しております) ところが、それは大家業(?)の常識からは考えられないことだったそうです。 まず、大家さんというのは、入居者と顔を合わせることがないんですね。 均質な内装の部屋を用意して、そこに誰かわからない人が入ってくる、というのがそれまでの流れだった。 ところが、クロスを決めるために、面接して、カウンセリングして、「こういうクロスはどうでしょうか?」と提案するという流れが生まれた。 これは、実に革新的なことだったのでした。 小さなことのように思うのですが、それがきっかけになり、どんどん新しい人が住むようになり、クロスだけでなく床や家具などもカスタマイズするようになって、今までにない新しい賃貸アパートの形が生まれて行った。 まさにコロンブスの卵ですね。 さらに、この小さな一歩から、劇的に住む人や、大家さんと住む人の関係、住む人同士の関係も変わったのでした。 住む人同士が、お互いにDIYリノベーションの手伝いをしたりすることで、交流が生まれて、なんとそのアパート内で、結婚する人まで出てきた。 その結婚式で大家さんが、仲人をしたりする。 こんな賃貸アパートって聞いたことがないですよね。 絵に描いたようなサクセスストーリーですが、初めから計画してことを進めたわけでなく、自分の商売のために、失敗しながらも一つ一つ思いついたことを実行して行った結果、賃貸の常識を変え、空家問題や、少子化問題まで解決するような大きな流れになっていったということです。 青木さんはお話も上手で面白く、どんどん引き込まれてしまいました。 その後、オガール紫波の岡崎さんのお話もあり、18:30から時間をオーバーして21:00過ぎまで3時間ほども話を聞いていましたが、短く感じるほど面白い話ばかりでした。 岡崎さんの話で、同感だったのは「広場」が必要だということ。 オガール紫波には、2棟の建物の間に広場があるのですが、こちらはニューヨークやイギリスの広場を参考に作られたそうです。 知らなかったのですが、日本では多くの都道府県で、公園はフェンスで囲うことが義務付けられているそうです。 こういう公園ではダメで、フェンスで囲われてない「広場」が必要なのだそうです。 不思議なことにフェンスで囲われていると、犯罪の温床になったりするのが、オープンになると、人が溢れ健全な市民の憩いの場になるんですね。 もう一つは、人がやってくる町にするには、料理のおいしいお店があることが一番だということです。 例えば、スペインのサン・セバスチャンという町は、交通の便の非常に悪いところなのですが、三ツ星レストランがいくつもあるようなグルメの町で、世界中から観光客がやってくるそうです。 スケールは違いますが、確かに、おいしいお店の情報があれば、車で2時間とかかかってでも食べに行ったりしますよね。 それを聞くと、交通の便の悪い釜石でも…と思ってしまいます。 これは正直、目からウロコだったかもしれません。 そんな風にして、青木さん、岡崎さんのお話はとっても面白くて、ためになる話だったのですが、岡崎さんが初めに言われたことは「いくら話を聞いても、行動しなければ意味がない」ということでした。 それで「何か行動しなければ」という使命感にかられ、一緒に行ったメンバーと、興奮気味に釜石の未来について語りあいながら、帰路についたのでした。 お誘いいただき、車まで出してくださったCさんありがとうございました~ 幸せのデザイン (株)宮崎建築事務所
by 3839ttsy
| 2015-06-24 17:59
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