建築・企画・設計・監理
(株)宮崎建築事務所 〒510-0242 鈴鹿市白子本町5-29 TEL:059-368-3330 宮崎達也 HP:http://miyazaki-archi.nobushi.jp/ mail:3839ttsy@gmail.com カテゴリ
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去年の新建築10月号に、気になる論文がありました。 西沢大良さんという建築家の方の、近代都市計画に関する論文です。 つかみがスゴイというか、今まで行われてきた都市計画が、全て間違いだったというようなショッキングな始まりだったため、つい引き込まれてしまいました。 ところが読み始めると、いつまで経っても次のページがある上、文字がびっしり^^; 途中でくじけそうになりながらも、どうにか最後まで読みました。 数えてみたらA4で12ページ。新建築の中でも異例の長さではないかと思います。 その上、最後まで読む前に、だんだんと気付き始めていたのですが、この論文はこれで終わりではなく、「続く」だったのです。 ここまで来たら、最後まで読むしかない、と思いました。 ところが、次の月にも、またその次の月にも続きはなく、そのうち続きは出ないのかもしれないと思うようになりました^^; もう忘れかけていた今月、ついに第2回が掲載されました。 またしても12ページありましたが、幸い(?)GWだったので、じっくりと読むことが出来ました。 内容は序文の示すとおり、ショッキングなものでした。 まず、近代都市の成立自体を把握するところから始まるのですが、そもそも私たち以降の年代の人間にとっては、近代都市と言うのは「出来た」ものでなく「あった」ものであるという認識の違いがあります。 それは生まれたときからあるもので、学校でも都市計画とはこういうものだと教えられるし、根本的に「正しいもの」であるわけです。 しかし、それ以前を振り返ってみると、近代都市というものは、工業が生まれたために出来たものであって、工業のない時代にはなかったものだということです。 例えば、服や自動車を作るために、労働者が集まってきて、住み始めたために出来た街だということです。 だから、昔の江戸時代以前には、そういうタイプの都市はなかったんですね。 従って、都市計画もそれにあわせたものになっているというわけです。 しかも、昔からほとんどやり方が変わっておらず、世界中で同じフォーマット(ヨーロッパ風の)で、都市計画を行うので、世界中の都市が時代の流れにそぐわないものになっていて、非常に危険だというわけです。 例えば、ある産業のために出来た街があるとして、何十年か経って、その産業が衰退したとすると、その街は失業者ばかりになる。 若い人は仕事を求めて他の街に行き、新しい人は、移り住んで来なくなり、住民は高齢化し、いずれゴーストタウン化する。 その上、産業そのものを糧にするのは、今の日本のような低成長社会には難しく、さらに技術の発展、変化の著しい現代では、ある産業が、何十年どころか、何年単位で衰退する可能性もあります。 これは、実に私の住んでいる鈴鹿市でも起こっている現象です。 経済発展の止まった先進国では、すでにこういう問題が顕在化しており、そして、発展途上国では、その問題を内包したままの都市計画により、新しい都市がどんどん出来ているというわけです。 確かに空恐ろしいような話ですね。 今まで、まったくこういうことは考えたことがありませんでした。 今月の論文では、こういった問題に対して、一つの提案がなされています。 それは現在ある都市に対しての、特効薬になるような内容です。 しかし、それで全てが解決するわけではないので、これから次々と提案が掲載されるのでしょう。 続きに目が離せない感じです~ (株)宮崎建築事務所
by 3839ttsy
| 2012-05-06 19:19
| 建築
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