建築・企画・設計・監理
(株)宮崎建築事務所 〒510-0242 鈴鹿市白子本町5-29 TEL:059-368-3330 宮崎達也 HP:http://miyazaki-archi.nobushi.jp/ mail:3839ttsy@gmail.com カテゴリ
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以前にふるさと文化資産保全活用研究会(略してふる文研)の発足式を行ったりした(過去の日記)、亀山市の舘家に行きました。 その頃は、まだ整備が完全ではなかったのですが、去年ぐらいに、耐震も含めた改修工事が行われました。 改修が終ってから、初めて行ったのですが、前より使える部屋なども増えて、良くなってました。 注目したのは写真の部分です。 昔の木造の建物は、ご存知のとおり、阪神大震災などの大きい地震には耐えられないものが多いです。 原因としては、今の木造住宅と比べると、窓や建具ばかりで、壁がすごく少ないからです。 そこで、その問題を解消すべく登場したのが、この金物。 壁で地震に耐える構造を「耐震構造」と言いますが、こちらは揺れを吸収する「制震構造」のための金物です。 この鉄板の間に、粘着ゴムのようなものが入っていて、バネのように揺れを吸収するというわけです。 昔の家屋を、大きな地震に耐えられるようにするには、現代の基準に合わせて、壁を作ったりするのもいいのですが、日本家屋特有の開放性、通気性、用途に合わせた柔軟性などの機能を損ねてしまうことになります。 またせっかくの風情が台無しになる可能性もありますよね。 そんな問題を解決すべく開発されたのが、仕口ダンパーなどとと言われる金物です。 梁と柱が接しているところに取り付けるだけでいいので、工事がとても簡単で、新しく壁をつけなくてもいいというメリットがあります。 ところが世の中、なかなかそううまい話はないようで、実際にはいくつか問題があります。 一つは調査や構造計算が、かな~り大変というところです。 たぶん一般の人が見たらひっくり返るぐらいおカネがかかります^^; ただ、この舘家は、文化財の保存のための市所有の建物なので、その辺りの経済的問題はクリアしているようです。 もう一つの問題は、邪魔になるということでした。 写真の部分は梁ではなく、差し鴨居という部分なのですが、まず梁のところはなかなか取り付けにくいのです。 そして、この差し鴨居のところには、比較的簡単に取り付けられるのですが、当然のことながら、そこにはフスマや戸があります。 せっかく開口部が確保されても、戸が締まらなくなっては困ったものです。 そんなこんなで、個人的には「使えるところはないかなぁ」と思っていました。 ところが、このやり方は、ちゃんと戸が閉まるんですよね。 金物の鉄板部分が薄いため、戸と戸の隙間に納まるのです。 開口部の機能を損ねることなく、取り付けられるというわけなんですね。 そして、さらに色を回りの木の色にあわせて、塗装してあるようです。 なるほど、これなら美観も機能も損なわず、ダンパーが取り付けられるというわけですね。 目からウロコでした~ (株)宮崎建築事務所
by 3839ttsy
| 2011-10-03 16:45
| 建築
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